肘内障(ちゅうないしょう)について

小さいお子様の手を強く引っ張った後などに上肢を動かさなくなることがあります。
「肩が抜けた」「手が抜けた」と言って来院されるご両親が多いようですが、そのほとんどは肘が抜けかかった状態(亜脱臼といいます)で、『肘内障』といわれる外傷です。
お子様の肘は骨が未発達のために、手を強く引っ張ると、画像のように橈骨(とうこつ)をとりまく輪状靭帯が上の方にめくれ上がってしまうといわれています。
新生児から5歳児までのお子様に多く見られます。

自然に治ることもありますが、普通は徒手整復をおこなって治します。
一度このけがが起こると、その後も癖になって何度も起こされる方がおられます。
しかし、小学校に上がる頃には骨が発達してくるためか、自然に起こらなくなります。後遺症は残りません。
痛みや上肢の運動制限が続くようなら、翌日お見せください。